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【完全保存版】クリアコレクトとは?特徴・費用・治療の流れを徹底解説

あなたは歯並びを治したいと思いながらも、「ワイヤー矯正は目立つから嫌だな」「でもマウスピース矯正って種類が多くて分からない」と悩んでいませんか?

近年、透明なマウスピースで歯並びを治すマウスピース矯正が注目されていますが、その中でも「クリアコレクト」という選択肢があることをご存知でしょうか。

クリアコレクトは、世界60か国以上で提供されているマウスピース矯正システムです。インビザラインに次いで世界的に普及しており、独自の技術で多くの患者さんに支持されています。

この記事では、クリアコレクトの特徴から費用、治療の流れまで、あなたが知りたい情報を分かりやすく解説します。矯正治療を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

クリアコレクトってどんな矯正方法?

クリアコレクトの基本情報

クリアコレクト(ClearCorrect)は、透明なマウスピースを装着して歯並びを矯正する治療システムです。2006年に米国テキサス州の歯科医師ウィリス・パンフリー医師によって開発されました。

開発の背景には、患者さんを思う医師の気持ちがありました。パンフリー医師は、以前利用していたマウスピース提供会社が業務終了して困っていた約400人の患者さんを救うため、自らマウスピース製造を始めたのです。

その後クリアコレクトは多くの歯科医師に支持されて成長し、2017年には世界最大の歯科インプラントメーカーであるストローマングループに買収されました。現在では世界60か国以上で提供されており、インビザラインに次いで世界的に普及しているマウスピース矯正システムとなっています。

日本での導入はインビザラインより後でしたが、2018年前後から本格的に提供が開始され、近年急速に普及しつつあります。

独自素材「ClearQuartz」の特徴

クリアコレクト最大の特徴の一つは、独自素材「ClearQuartz(クリアクオーツ)」を用いたマウスピースです。この素材は硬層・軟層・硬層の3層構造からなり、柔軟性と耐久性に優れています。

この3層構造により、以下のような利点があります。

耐久性の高さ 着色や汚れが付きにくく、ブラキシズム(歯ぎしり)が強い方でも破損しにくい設計になっています。強い咬み締めにも耐えられる耐久性が確認されています。

治療効率の向上 装着中に加わる矯正力が弱まりにくいため、他社のマウスピースでは100ステップ必要な症例でも、約50ステップ程度で治療を完了できる場合があります。

審美性の高さ 透明で薄く作られており、装着してもほとんど目立ちません。その薄さゆえに装着感も良く、口腔内での違和感も少ないとされています。

フラットトリムラインによる高い保持力

クリアコレクトのもう一つの特徴は、マウスピースの縁(トリムライン)のデザインです。歯肉を少し覆うフラットな延長トリムラインを採用しており、この設計により装置の保持力が非常に高くなっています。

実験では、歯ぐきの縁に沿ってカットされた「スカラップ型」のマウスピースよりも2.5倍の保持力があると報告されています。

この高い保持力により、歯にアタッチメント(エンゲージャー)と呼ばれる突起を付けなくても済むケースが増えます。アタッチメントが少ないということは、見た目がより自然で、マウスピースの着脱も楽になるというメリットがあります。

クリアコレクトの治療の流れ

初診から治療開始まで

クリアコレクトによる矯正治療は、以下のような流れで進みます。

1. カウンセリング・診断 まず歯科医院で相談し、歯並びや噛み合わせの悩みを伝えます。歯科医師が口腔内検査やレントゲン撮影、写真撮影などを行い、矯正が必要か、マウスピースで対応可能かを評価します。

この段階で、ワイヤー矯正など他の選択肢も含めて説明を受けることになります。費用や期間についても大まかな見積もりが提示されるでしょう。

2. 精密検査と治療計画の作成 マウスピース矯正を希望する場合、歯型の採取を行います。近年は口腔内スキャナーで歯列を3Dデジタルデータ化することが多く、そのデータをクリアコレクト社に送って詳細な治療計画を立案します。

クリアコレクトではClearPilotシステム上で、歯が動く過程や最終位置をシミュレーションし、医師と技工サイドで最適な計画を策定します。患者さんはこの時点で3Dシミュレーションによる治療完了時の歯並びイメージを確認できる場合があります。

3. アライナーの製造・装着開始 承認された治療計画に基づき、一連のカスタムマウスピースが製造されます。完成まで数週間ほど要することがあります。

マウスピースが届いたら、初回の装着を行い、歯科医師がフィット具合をチェックします。同時に必要に応じて歯にアタッチメントを装着したり、歯と歯の間のわずかな削合(IPR)を行うこともあります。

患者さんにはマウスピースの取り外し方法やお手入れ方法、装着時間などについて詳しい指導があります。

治療中の流れ

装着時間と交換頻度 患者さんは基本的に1日20~22時間、食事と歯磨きの時以外は常時マウスピースを装着します。1つのマウスピースは1~2週間程度のペースで新しいものに交換していきます。

症例や医師の指示によってはもう少し長く装着する場合もありますが、指示された装着時間を守ることが治療成功の鍵となります。

定期チェックの間隔 数セット分のマウスピースをまとめて渡されることが多く、定期的な通院は4~8週間に一度程度となります。これはワイヤー矯正の月1回通院と比べて負担が少ないのが特徴です。

定期チェックでは歯の動きが計画通り進んでいるかを確認し、必要に応じて追加の処置(アタッチメントの追加装着や調整など)を行います。

中間調整・追加マウスピース 治療途中で計画との差異が生じた場合や、予想より歯の動きが不十分な場合には、新たに歯型を取り直してリファインメント(追加マウスピース)を作製することがあります。

クリアコレクトでは追加マウスピースや微調整を行う場合でも、最初の契約プランに追加費用が含まれているケースが多く、患者負担を増やさず対応できることが特徴です。

治療完了後の保定

保定装置の装着 すべてのマウスピース使用が終了し、目標とする歯並びになったら積極的な矯正治療は完了です。最後に**保定装置(リテーナー)**と呼ばれるマウスピース型またはワイヤー固定式の装置を受け取り、後戻りを防ぐための保定期間に入ります。

クリアコレクトでは治療プランによってリテーナー1セットが費用に含まれている場合があります。

保定期間の重要性 保定期間中は基本的に就寝時を中心にリテーナーを装着し、徐々に装着時間を減らしながら最低でも1~2年、場合によっては半永久的に保定を続けます。

この期間をしっかり守らないと、せっかく整った歯並びが元に戻ってしまう可能性があります。定期的なフォローアップも行われ、問題がなければ矯正治療は完全に終了です。

クリアコレクトの費用相場

日本国内での費用目安

クリアコレクトの治療費用は症例の難易度や歯科医院によって差がありますが、日本国内ではおおむね約30万~80万円程度が一つの目安となります。

症例の程度費用相場治療内容
軽度20~30万円台前歯のわずかなガタつきや軽いすき間
中度40~60万円台ある程度の歯の重なりやねじれ
重度60~80万円台多数の歯の大きな移動が必要

これは従来のワイヤー矯正よりやや高めの設定になることが多いですが、その見えにくさや取り外し可能な利便性を考えると、多くの方にとって価値ある選択肢となっています。

他の矯正方法との費用比較 ワイヤー矯正の相場が医院によっては50~70万円台から100万円近くになるのに対し、マウスピース矯正は透明な素材やデジタル設備のコストも含まれるため、若干費用が上乗せされる傾向があります。

クリアコレクトはインビザラインよりもやや安価な傾向が指摘されています。同等のケースで比較すると、クリアコレクトの方が数万円程度割安になることが多いようです。

プラン別の特徴

クリアコレクトには、治療内容に応じていくつかのプランオプションが用意されています。

Unlimited(アンリミテッド)プラン 必要なだけ何セットでもマウスピースを作製できるオールインクルーシブ型です。追加の調整やリテーナーまで含んだ最も包括的なプランで、費用は高めですが治療が長引いても追加料金が発生しない安心感があります。

Flex(フレックス)プラン 軽度症例向けで、必要な枚数分だけマウスピースを都度注文していく方式です。使用枚数に応じて費用を支払う従量課金型のため、軽度な症例では費用を抑えられます。

ONEプラン 約1年の間に最大24ステップのマウスピースとリテーナー1セットが含まれるパッケージです。中等度の症例に適しており、期間と費用のバランスが取れたプランと言えるでしょう。

このように症例の難易度や期間に合わせてプランを選択できるため、無駄なく経済的に治療を受けられるメリットがあります。

保険適用と医療費控除

保険適用について 日本において、クリアコレクトを含むマウスピース矯正は**原則として健康保険適用外(自費診療)**です。国民皆保険の制度下でも、矯正治療は美容目的と見なされることが多く、公的保険の対象にはなりません。

ただし例外的に保険が適用されるケースも存在します。先天性の顎口腔の疾患(例:口唇口蓋裂など指定難病)や、顎変形症で外科的矯正治療が必要な場合など、厚生労働省が定めた特定の疾患に起因する咬合異常に対する矯正は保険適用となることがあります。

医療費控除の活用 多くの患者さんにとってクリアコレクト矯正は自費診療となりますが、高額な医療費になるため医療費控除を受けられる可能性があります。年間10万円超の医療費がかかった場合、確定申告で一部税金還付を受けられます。

また、クレジットカード分割払いやデンタルローンの利用、歯科医院独自のモニター割引制度などで費用負担を軽減できる場合もあります。費用面で不安な方は、歯科医院に相談してみると良いでしょう。

治療期間はどのくらい?

症例別の期間目安

クリアコレクトによる矯正の治療期間は、症例の難易度や目標とするゴールによって大きく異なります。

軽度の歯列不正:3~6か月程度 前歯のわずかなガタつきや軽いすき間など、比較的簡単な症例では短期間で完了するケースもあります。「結婚式までに前歯だけきれいにしたい」といった限定的な希望であれば、半年以内に満足のいく結果が得られることも少なくありません。

中等度の不正咬合:1年前後~1年半 ある程度の歯の重なりやねじれ、噛み合わせのズレなどでは、1年程度の治療期間が一般的です。この程度の症例が最も多く、多くの患者さんがこの期間で治療を完了しています。

重度の症例:2年~3年程度 多数の歯の大きな移動や骨格的な問題を伴うケースでは、長期間を要することもあります。ただし、このような症例ではマウスピース矯正が適応とならない場合もあるため、事前の診断が重要です。

平均的には、マウスピース矯正全般で1~2年程度の治療期間になることが多いと言われています。

治療期間を短縮するコツ

装着時間の重要性 1日20時間以上しっかりマウスピースを装着できる患者さんでは、計画通りスムーズに歯が動き、結果的に従来より早く治療が完了するケースがあります。

逆に装着時間が不足したり計画通りに歯が動かない場合は、追加のマウスピース作製や治療期間の延長が必要となります。矯正期間を短くするには**患者自身の協力(自己管理)**が極めて重要です。

定期通院の遵守 指示された通院スケジュールを守ることで、歯の動きをタイムリーにチェックし、必要に応じて調整を行えます。通院を怠ると問題に気づくのが遅れ、結果的に治療期間が延びてしまう可能性があります。

口腔ケアの徹底 虫歯や歯周病が発生すると、矯正治療を一時中断して治療する必要が出ることもあります。日頃から丁寧な口腔ケアを心がけることで、予定通り矯正治療を進められます。

初回カウンセリング時に医師から提示される期間は、順調に進んだ場合の想定期間です。治療途中での調整や再計画により延びることも珍しくありませんが、指示を守って協力することで、できる限り計画通りの期間で終えることができるでしょう。

クリアコレクトのメリット・デメリット

マウスピース矯正であるクリアコレクトには、従来型のワイヤー矯正にはない多くのメリットがありますが、一方で注意すべきデメリットや向き不向きも存在します。

5つの主なメリット

1. 目立たない審美性 クリアコレクトのマウスピースは透明で薄いため、装着していても周囲から気付かれにくいです。会話中や笑っている時でも相手に装置の存在をほとんど悟られないため、人前に出る機会が多い方や接客業の方でも心理的負担が少なく治療を続けられます。

「矯正していることを知られたくない」という方にとって、この点は大きな魅力となるでしょう。

2. 取り外し可能な利便性 食事や歯磨きの際にはマウスピースを自分で簡単に取り外せます。そのため食事制限がほとんど無く、硬いものや粘着質な食品も矯正中に楽しめます。

また毎回外して通常どおり歯磨き・フロスができるので、矯正装置を付けたまま磨き残しが生じる心配が少なく、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。装置自体も取り外して洗浄できるため、口腔内を清潔に保ちやすい点もメリットです。

3. 痛みや違和感の少なさ マウスピースは滑らかな樹脂素材でできており、金属ブラケットのような尖った部分がないため口の中が傷つきにくいです。ワイヤー矯正でありがちな口内炎や頬の粘膜の痛みが大幅に軽減されます。

また歯に加わる力も比較的マイルドで、装置交換時に多少の圧迫感や歯の動く違和感はありますが、ワイヤー調整後のような強い痛みを感じる患者さんは少ない傾向があります。

4. 通院頻度の少なさ クリアコレクトでは通院は数週間~数か月に一度程度で済みます。複数のマウスピースをまとめて受け取り自宅で順次交換していくセルフ管理が基本のため、毎月の調整が必要なワイヤー矯正と比べて歯科医院に行く回数が減ります。

仕事や学校で忙しい方でもスケジュールを調整しやすく、遠方から通う場合の負担軽減にもつながります。

5. 治療計画の予測性 デジタルシミュレーションにより、治療開始前に最終的な歯並びのイメージやおおよその期間が提示されます。ゴールが視覚化されていることで患者さんのモチベーション維持にも役立ち、将来の見通しが立てやすい点は安心材料です。

「どのくらいきれいになるのか分からない」という不安を解消できるのは、大きなメリットと言えるでしょう。

知っておくべきデメリット

1. 自己管理の必要性 クリアコレクトを含むマウスピース矯正では、患者さん自身が装着時間を守る責任があります。1日20時間以上の装着が推奨されていますが、これを怠ると計画通りに歯が動かず治療が長引いたり、最悪効果が得られないこともあります。

意思の力や習慣付けが苦手な人、装置の着脱を頻繁に忘れてしまう方などには不向きな場合があります。また飲食時に外したマウスピースを紛失してしまうリスクもあり、取り外したら専用ケースに入れるなど自己管理の徹底が求められます。

2. 対応困難な症例の存在 マウスピース矯正は技術革新により適応範囲が広がってきたとはいえ、非常に重度の不正咬合や骨格的な問題には単独では対応が難しい場合があります。

例えば、外科手術を伴う矯正や、極端に歯のねじれがあるケース、奥歯の大幅な移動などではワイヤー矯正のほうが確実であったり、マウスピースでは対応できないことがあります。

3. 装着中の制約 食事や飲み物を口にする際には毎回マウスピースを外す必要があります。水以外の飲食は基本的に装着したまま行えないため、間食やコーヒータイムなど頻繁に口に物を入れる習慣がある方には煩わしく感じられるかもしれません。

装置を外した後には歯磨きをしてから再装着するのが望ましいため、外出先でも歯磨きのタイミングに気を遣う必要があります。

4. 費用面のハードル 前述のように、クリアコレクト矯正は保険が利かず自費診療となるため、費用面のハードルがあります。特に全国平均と比べて物価や治療費が高い都市部では、総額80~100万円近い提示を受けるケースもあります。

分割払いにした場合でも毎月の支払い額が負担になることも考えられます。他の矯正法と費用を比較し、無理のない予算計画を立てることが重要です。

このように、クリアコレクトには利点・欠点それぞれがあります。総じて、「見た目を気にせず快適に矯正したい」「自分でしっかり管理できる」という方には大きなメリットがありますが、「安価に抑えたい」「装置の着脱が面倒」「重度の噛み合わせ異常がある」という場合には慎重な検討が必要です。

日常のメンテナンス方法

クリアコレクトで効果的に矯正治療を進めるためには、日々のメンテナンスと注意点にも気を配る必要があります。

マウスピースの清掃方法

毎日のお手入れ マウスピースは毎日清潔に保つことが大切です。朝晩の歯磨き時や食後の再装着前には、マウスピース自体もやさしくブラッシングして洗浄しましょう。

専用の洗浄剤や中性のハンドソープを用い、水またはぬるま湯で洗うのが基本です。ブラシも柔らかいものを使い、力を入れすぎないようにします。

使ってはいけない洗浄剤 熱湯や研磨剤入りの歯磨き粉は使用すると変形や傷の原因になるため厳禁です。清掃を怠るとマウスピースに細菌が繁殖し、口臭や虫歯・歯周病のリスクが高まります。

日中は外した際にサッと水洗いし、夜や汚れが気になる時は洗浄剤でしっかり浸け置き洗いするなどして常に清潔な状態を保ちましょう。

専用ケースでの保管 マウスピースを外す際は両手を使い丁寧に行い、無理な力でねじったりしないようにします。外したマウスピースは専用ケースに保管し、ティッシュなどに包んで置かないようにしてください。

うっかり捨ててしまう事故がよくあります。また、ペットが誤ってかじってしまう例もあるため、家庭内でもケースに入れて高い所に保管するなどの配慮が必要です。

万一破損・紛失してしまった場合は、次のステップの装置に早めに切り替える、または歯科医院に連絡して指示を仰いでください。場合によっては追加費用で再作製が必要になることもあります。

食事と口腔ケアの注意点

飲食時のルール 装着中は基本的に水以外の飲食は禁止です。お茶やコーヒーなど色の付いた飲み物は着色の原因になりますし、糖分を含む飲料は装置内部で細菌が増殖し虫歯リスクが高まります。

また熱い飲み物はマウスピースを変形させる恐れがあります。飲食の際は必ず外し、どうしても磨けない場合は少なくとも水で口をよくゆすいでください。

歯磨きのタイミング 飲食後は歯磨きをしてから再装着する習慣を徹底しましょう。間食の頻度が高いとそのたびに装置の脱着と清掃が必要になり煩雑です。治療期間中は規則正しい食生活を心がけることも装置管理上有効です。

虫歯予防のポイント マウスピース矯正中でも、定期的な歯科検診やクリーニングは怠らないようにしましょう。装置を外せるとはいえ矯正中は虫歯のリスクがゼロではありません。

フロスや歯間ブラシを駆使してプラークコントロールをしっかり行い、歯茎の炎症などが起きないように注意します。万一虫歯が見つかった場合、矯正装置を一時中断して治療する必要が出ることもあるため、予防に努めることが重要です。

治療中に装置が合わなくなったり浮いてしまう感じがある場合は自己判断で中断せず必ず歯科医に相談しましょう。クリアコレクトでは装置の追加や計画変更が柔軟にできますので、遠慮なく報告することが大切です。

他の矯正方法との比較

最後に、クリアコレクトと他の矯正方法との違いについて詳しく見ていきましょう。矯正を検討する上で、それぞれのメリットや違いを把握しておくと、自分に合った方法を選ぶ手助けになります。

ワイヤー矯正との違い

見た目・快適さの比較

項目クリアコレクトワイヤー矯正
見た目透明でほとんど目立たない装置が見えてしまう
痛み口内炎や傷ができにくいブラケットで口の中が傷つくことがある
食事取り外して制限なし硬いものや粘着質なものは避ける
歯磨き外して通常通り可能ブラケット周りの清掃が困難
自己管理装着時間の管理が必要つけっぱなしでお任せ

最大の違いは装置の目立ちやすさです。ワイヤー矯正は歯の表面にブラケット(金属やセラミック)を貼り付けてワイヤーで連結するため、どうしても装置が見えてしまいます。一方、クリアコレクトは透明なマウスピースのみを装着するため装置がほとんど目立ちません

装着中の快適さでも違いがあります。ワイヤー矯正はブラケットやワイヤーが常に口腔内にあり、頬の内側や唇に当たって口内炎や痛みを引き起こすことがあります。クリアコレクトは薄く滑らかな樹脂製マウスピースのため、口腔粘膜への物理的刺激が少なく痛みや傷ができにくいです。

治療できる症例の範囲 ワイヤー矯正はあらゆる症例に適用できる万能選手です。重度の叢生(歯のガタガタ)でも抜歯や顎の拡大等を組み合わせ対応可能ですし、顎変形症など外科手術を伴うケースでも手術前後の矯正を行えます。

歯の垂直的な動き(挺出・圧下)や大きな回転、細かな歯の傾斜調整など精密なコントロールも得意です。

一方、クリアコレクトを含むマウスピース矯正は軽度~中等度の不正咬合を得意とし、多くの乱杭歯や空隙、咬み合わせ不良に対応できます。近年はアタッチメントやゴム掛けを併用することで難しい移動も可能になっていますが、それでも極端なケースではワイヤー矯正に軍配が上がります。

費用・期間の違い 治療期間は症例によってまちまちですが、一般にワイヤー矯正も1~3年程度を要します。クリアコレクトは1~2年程度で終わるケースが多く、場合によってはワイヤーより早く完了することもあります。

通院はワイヤー矯正では月1回程度が普通ですが、クリアコレクトは6~8週間に1回程度と少なめです。

費用面では、ワイヤー矯正は表側の場合60~100万円程度が相場で、裏側矯正はその1.5倍ほどになります。クリアコレクトの費用(約30~80万円)は表側矯正と同等かやや高めですが、裏側矯正よりは安価です。

インビザラインとの比較

素材と装着感の違い 最大の競合であるインビザラインは「スマートトラック」と呼ばれる厚みのある特殊素材を使用しており、しっかりした弾性で歯を動かします。一方クリアコレクトはポリウレタン系の薄い素材で作られており、装着感が良い反面、エッジ部分が歯肉にあたって気になる場合があります。

どちらもBPAフリーの安全な素材で、約2週間装着しても劣化しないよう工夫されています。患者さんによっては「インビザラインの方が柔らかく優しい感じ」「クリアコレクトの方が薄くて違和感が少ない」と感じるなど主観的な好みが分かれるところです。

アタッチメントの使用頻度 前述のようにクリアコレクトはフラットなトリムラインで保持力を稼いでいるのが特長です。そのため、歯に装着するアタッチメントを最小限に抑えられる利点があります。

対してインビザラインは歯肉沿いにカットされたトリムラインで審美性を重視していますが、その分保持力を補うために多数のアタッチメントを付与するケースが多いです。

どちらが良いかは一長一短で、アタッチメントが多いと装置を外す際に引っ掛かりがあったり見た目に若干影響する反面、複雑な歯の動きを実現しやすいという利点もあります。

費用面での比較 費用面では、既に述べたようにクリアコレクトの方がやや安価に設定されることが多いです。アメリカではインビザラインとクリアコレクトのラボ費用差から、患者負担も10~20%程度クリアコレクトが安いケースがあると報告されています。

日本国内でもクリアコレクトの費用相場(軽度25万~、中度45万~、重度65万~)はインビザライン(軽度28万~、中度50万~、重度70万~)より数万円程度低めです。

ただし実際の請求額は医院ごとの価格設定やサービス内容によりますので、個別に比較検討が必要です。

実績と信頼性 インビザラインは1997年創業のAlign社による先駆者であり、世界累計症例数が1200万件を超えるなど莫大な実績があります。そのため臨床研究やエビデンスも蓄積されており、患者満足度も96%に達するとの報告があります。

クリアコレクトは2006年開始と約10年遅れて市場参入しましたが、こちらも近年多くの症例実績を積み上げ研究開発を続けています。一般に「実績・信頼性ではインビザラインが一歩リード」と言われますが、クリアコレクトもStraumannグループの一員になったことで研究規模が拡大し、質の高い治療結果を提供できる体制が整いつつあります。

どんな人にクリアコレクトがおすすめ?

向いている人の特徴

以下のような方にクリアコレクトは特におすすめです。

  • 見た目を重視する方:接客業や人前に出る機会が多く、矯正装置が目立つことを避けたい方
  • 自己管理ができる方:装着時間や清掃を確実に守れる責任感のある方
  • 食事制限を避けたい方:好きなものを食べ続けたい、食事を楽しみたい方
  • 通院回数を減らしたい方:忙しくて頻繁に歯科医院に通えない方
  • 費用を抑えたい方:インビザラインより安価にマウスピース矯正を受けたい方

他の方法を検討すべきケース

一方で、以下のような場合は他の治療法も検討することをおすすめします。

  • 重度の不正咬合がある方:骨格的な問題や極端な歯並びの乱れがある場合
  • 自己管理が苦手な方:装着時間を守ることが難しい、物をよく無くす方
  • 費用を最優先で抑えたい方:ワイヤー矯正の方が安価な場合もあります
  • 短期間での完了を重視する方:症例によってはワイヤー矯正の方が早い場合があります

クリアコレクトを受けられる歯科医院の探し方

日本での普及状況

取り扱い医院数の現状 クリアコレクトは世界60か国以上で利用されているグローバルな矯正システムですが、日本国内での普及はインビザラインに比べるとまだ少なめというのが現状です。

インビザラインが2006年頃から日本で本格展開され、多くの歯科医院で導入されたのに対し、クリアコレクトの日本上陸はそれより遅く、2018年前後から徐々に提供が開始されました。

導入から約5年ほどですが、ここ数年で急速に導入医院が増加してきています。都市部の矯正専門医院やインプラント治療に強い総合歯科などを中心にクリアコレクトをメニューに加えるところが増えています。

インビザラインとの差 「世界シェアNo.1インプラントメーカーのデジタル矯正システム」として、ストローマン製品を扱う歯科医院がクリアコレクトを導入するケースも多いようです。

ただしインビザライン認定医が全国で数千人規模いるのに対し、クリアコレクトの提供医はまだ限定的とも言われます。そのため、日本においてマウスピース矯正といえば依然としてインビザラインの知名度が高く、クリアコレクトは「第2の選択肢」と位置付けられることが多い状況です。

とはいえ、患者さんにとっては選択肢が増えることは良いことであり、価格面でやや有利なクリアコレクトをあえて選ぶ人や、セカンドオピニオンで「うちではクリアコレクトも扱っています」と提案されて興味を持つケースも出てきています。

信頼できるクリニック選びのポイント

医師の資格・経験 クリアコレクトを提供するには歯科医師側も所定のトレーニングを受ける必要があります。日本矯正歯科学会ではマウスピース矯正について認定医以上の資格や同等の知識・技術が求められるとの指針を示しており、質の高い治療提供のためには歯科医師の経験も重要です。

以下の点を確認すると良いでしょう。

  • 日本矯正歯科学会の認定医・専門医の資格があるか
  • マウスピース矯正の症例経験が豊富にあるか
  • クリアコレクトの公式トレーニングを受けているか
  • 過去の治療実績や症例写真を確認できるか

無料相談の活用方法 多くの歯科医院では初回相談を無料で行っています。この機会を有効活用しましょう。

相談時にチェックすべきポイント:

  • 治療方法の説明が分かりやすく丁寧か
  • 費用の内訳が明確に提示されるか
  • 質問に対して誠実に答えてくれるか
  • 他の治療法との比較も説明してくれるか
  • 無理な勧誘がないか

セカンドオピニオンの重要性 矯正治療は長期間にわたる重要な治療です。一つの医院だけでなく、複数の医院で相談を受けることをおすすめします。

セカンドオピニオンのメリット:

  • 治療方法や費用を比較検討できる
  • より信頼できる医師を見つけられる
  • 自分に合った治療法を客観的に判断できる
  • 納得のいく説明を受けられる医院を選べる

特にマウスピース矯正専門クリニックや先進的な矯正歯科では、複数のマウスピースシステムを導入して患者さんのニーズや症例に応じて使い分ける動きもあります。

治療を検討する際には、近隣でクリアコレクトを取り扱っている歯科医院があるか公式サイト等で検索し、実際に相談してみると良いでしょう。

まとめ:あなたにクリアコレクトは向いている?

判断のポイント

ここまでクリアコレクトについて詳しく解説してきましたが、最終的に大切なのは「あなたにとって最適な治療法かどうか」です。

ライフスタイルとの適合性 まず考えたいのは、あなたのライフスタイルにクリアコレクトが合うかどうかです。

以下の質問に答えてみてください。

  • 1日20時間以上の装着を継続できそうですか?
  • 食事のたびにマウスピースを外すことを面倒に感じませんか?
  • 毎日のお手入れを習慣にできそうですか?
  • 物をなくしやすい性格ではありませんか?

これらの質問に「Yes」と答えられる方は、クリアコレクトに向いていると言えるでしょう。

費用対効果の考え方 クリアコレクトの費用は決して安くありませんが、以下の価値があると考えられます。

  • 周囲に気づかれずに矯正できる
  • 食事制限がない
  • 痛みや不快感が少ない
  • 口腔ケアが簡単
  • 通院回数が少ない

これらのメリットが費用に見合うと感じるかどうかも、重要な判断基準です。

治療への取り組み姿勢 矯正治療は医師との二人三脚で進める治療です。特にマウスピース矯正では、患者さんの協力度が治療成功を大きく左右します。

「きれいな歯並びを手に入れたい」という強い動機があり、そのために努力を惜しまない方であれば、クリアコレクトは素晴らしい選択肢となるでしょう。

最終的な決断に向けて

この記事を読んで「クリアコレクトに興味を持った」という方は、まず近隣でクリアコレクトを扱っている歯科医院を探してみてください。

実際にカウンセリングを受けることで、以下のことが明確になります。

  • あなたの歯並びがクリアコレクトで治療可能か
  • 具体的な治療期間と費用
  • 他の治療法との比較
  • 医師との相性

複数の医院で相談を受け、納得のいく説明をしてくれる信頼できる医師を見つけることが、成功する矯正治療の第一歩です。

クリアコレクトは「歯科医師が患者のために生み出した」という出自を持つシステムです。そのスピリットは現在も引き継がれ、ユーザーフレンドリーなサービスやサポート体制が整えられています。

あなたの素敵な笑顔のために、クリアコレクトが良い選択肢となることを願っています。まずは気軽に無料相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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